看護ケアの問題点と患者への正しい接し方

医療の現場では、怪我や病気を治すだけではなく、患者の心のケアも重視されるようになっています。

体調不調による不安や焦りを解消することが看護ケアの理想の形とされていますが、何に対してどのような不安を感じるかは患者ごとに異なるので、明確な模範解答は存在しません。患者の状態をよく観察したうえで、適切なケアを施すことが大切です。

しかし、医療の現場は多忙なのに加え、医療施設の多くは慢性的な人手不足です。そのため、患者ひとりに長く時間を取ることができず、適切な看護ケアが困難なのが問題視されています。また、心のケアは効果が出るまで時間がかかることが多いので、現在行っているケアが正しい方法なのかを確認しにくいのも問題の複雑化に繋がっているのです。

看護ケアを適切に行うには、人手不足を解消して時間に余裕を持たせるのが最良の方法ですが、現実的ではありません。そのため、限られた人数でできるだけ効率的なスケジュールを組み、看護ケアの質を落とさないように気を配る必要があります。また、患者が不安や焦りを感じるのは、体の具合が悪いことが大きな理由で、治療の効果が出ていないと感じてしまうことが不安に繋がるので、治療の詳細や効果に関する個人差の問題などをわかりやすく説明し、納得してもらうのも医療の現場の負担を軽減させる工夫になります。患者への労わりを持ちながら現場の問題点を取り除くのが、看護ケアの質を損なわないための重要なポイントです。